田房永子『キレる私をやめたい』
先日、Twitterを見ていたら、この記事が目にとまりました。
LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - 山口達也と非生産
この記事の中で、この言葉がすごく共感できました。
私個人が理想とする世の中は、朝の情報番組のメインパーソナリティーである国民的アイドルスターが「実は私、アルコール依存症の治療のため、いま現在、病院からここまで通勤しています」と告白できる空気のある世界。その経過を含めてみんなで見守れる世間。依存症になってしまったことを恥じるのではなく、本人の甘えとか弱さとかで済ますのでもなく、隠さないでいられる空気である。
たぶん、僕はこの「アルコール依存症」という部分を自分の「うつ」ということに重ねているのだと思います。
「うつ」を本人の甘えとか弱さで済まされることなく、隠さないでいられる空気。
「○○君どうしちゃったのか、心配になりました。支離滅裂なことを言っていて、疲れているのか病気なのか、診断名が出ればこちらも納得できるのですが」
と、僕のこの状態を病気だと理解してくれる言葉や存在。
文章の最後に、この文章を書いた田房さんの著者について触れられていました。
田房さんの著書は今まで『母がしんどい』(紹介した記事)、『男しか行けない場所に女が行ってきました』(紹介した記事)を読んだことがあり、朝日新聞でも夕刊にたまに漫画が載っているのですが、この本は読んだことがありませんでした。
知らなかったと言うことではなく、自分には関係がないかな、と思い読んでいなかったのですが、今回僕が突然家から放り出された原因が、まさにこのことだったので、そのまますぐに購入し、すぐに読みました。
漫画なので、読むのは30分くらいで読めたのですが、田房さんと僕とでは性別が違うものの、最初から描かれている、特定の人にだけキレるというところから、自分のことのように感じました。
この本の中ではゲシュタルト療法というものが載っていて、田房さんはそれがとても効果があったようなのですが、ゲシュタルト療法についての本を探してみましたが、手頃なものがなく、僕はまだ読めていません。
また、田房さんがゲシュタルト療法のカウンセリングを受けている様子も描かれているのですが、僕自身には少しハードルが高いように感じました。
けれど、その後に載っている、田房さんがやってみて効果があったとされる三つのこと、「休むこと」「『今ここにいる』ようにする」「自分をほめる」というのは自分でもやれそうだと思ったので、すぐにやってみることにしました。
休むことは、無理をしないこと。
新しい生活には「やることがない」、と戸惑うことも多かったのですが、逆に疲れていたり、眠かったら、いつでも寝られるということ。
とりあえず、疲れを感じたり、眠かったら、休んでしまおう、ということにしました。
「『今ここにいる』ようにする」ということは、抗うつ薬の効果もあると思いますが、不安に駆られたりするときに良い、と感じています。
イヤな出来事を度々思い出しては苦しむ、ということをここ数年してきて、薬を飲み始めた頃は、ついさっき送ったり送られてきたメールが頭から離れず、ずっと考えてしまい、考えずにはいられない、という状態だったのですが、そうなりそうな時に、「今ここにいる」ということに気持ちを向けるだけで、考えずにはいられないという、その深みにはまることがなくなりました。
「自分をほめる」ということについては、とりあえずマイブックに小さなことでも、その日出来たことを書くことを始めました。
まだ、効果は特に感じていませんが、この本の後に読んで昨日紹介した『うつからの脱出』の回復日記と同じようなことなのかな、と思い、ほめる、ということもそうなのですが、できた、これをやった、ということをとにかく書くようにしています。
この本だけでなく、『うつからの脱出』もそのすぐ後に読んだことで、2つの本の内容がリンクして、自分の中で理解が深まるというか、より実践してみようという気になりました。