映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ラブレス」

 ウォッチリストに入れておいた作品がAmazonプライムで観られるようになっていたので観てみた作品です。
 気になっていたのは、新聞の書評で触れられていたからです。

 (評・映画)「ラブレス」 現代社会を貫く、愛の不在:朝日新聞デジタル

 


ラブレス(字幕版)

 

youtu.be

 

映画「ラブレス」公式サイト 2018年4/7公開


作品データ
映画.comより)
監督 アンドレイ・ズビャギンツェフ
原題 Nelyubov
製作年 2017年
製作国 ロシア・フランス・ドイツ・ベルギー合作
上映時間 127分
配給 クロックワークス、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES
映倫区分 R15+

ストーリー(公式サイトより要約)
一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャの夫婦。ふたりは離婚協議中で、家族で住んでいるマンションも売りに出そうとしている。言い争いのたえないふたりは、12歳の息子、アレクセイをどちらが引き取るのかで、激しい口論をしていた。アレクセイは耳をふさぎながら、両親が喧嘩する声を聞いている。
両親が家を留守にするなか、息子が通う学校からアレクセイが2日間も登校していないという連絡が入る。自宅にやって来た警察は、反抗期だから数日後に戻るだろうと取り合ってくれず、ボリスとジェーニャは市民ボランティアに捜索を依頼する。
帰りの車中で「結婚したのは母から逃げたかったから。あなたを利用したつもりが、家族を求めるあなたに利用された」と言い、中絶をすればよかったと後悔の念を口にするジェーニャ。捜索を続けるなか、アレクセイがチャットで話していた“基地”が、森の中の廃墟ビルの地下にあることが、クラスメイトの証言から判明する。夫婦と捜索隊は、その廃墟へと足を踏み入れるが……。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 両親が不仲で(というか、2人とも別にパートナーがいる)、それを知っている一人息子のアレクセイ。
 悲しみを一人抱え込むアレクセイ。
 そのアレクセイがある日突然失踪します。

 両親はそれぞれのパートナーとの関係を保ちつつ、時に罵り合いながらアレクセイを探します。
 警察は長くても1週間で戻るでしょう、とかなり楽観視していたけれど結局戻って来ず、ボランティアの力も借りて探すのですが、結局アレクセイの行方はわからないまま。

 セックスシーンが度々出てくるのでR15+になっていますが、いやらしさは感じることなく、むしろ、そのセックスシーンがアクセントになっています。
 最初は熱っぽいセックスをするけれど、しばらくするとなおざりなセックスになり、その後はそもそもセックスすることもなくなる。

 これは多くのパートナーに起きる問題だと思うのですが、セックスという直接的な「愛」の姿を写しつつも、ものすごく悲しい作品でした。
 ここまで踏み込んで書くのは僕にとってもものすごく勇気のいることですが、僕が22歳で結婚したことも、早く家(実家、特に兄)から離れたかったというのも事実で、自分の「家族」を作ることで「逃げた」ということがあるからです。
 また、長く暮らせば暮らすほどセックスへの熱というか回数も減り、レスになるというのもまた経験したことなので、結婚なんてしなければ良かったとは思わないものの(僕にとってはその時の最善の選択でした)、近い思い、近い経験をしてきたので、余計に悲しみを覚えました。