映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

ゴッホ展

 コートールド美術館展に行った日、そのまま上野の森美術館で開催中のゴッホ展に行ってきました。

上野の森美術館 - 展示のご案内 - ゴッホ展


 2015年にオランダに行き、その際にゴッホ美術館に行っているので、ゴッホ美術館の作品だったら観に行こうとは思わなかったのですが、今回の展示は、ハーグ市立美術館所蔵の作品で、(ハーグには行ったけれど)ハーグ市立美術館には行っていなかったので、観に行きました。
 

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Cyresses,1889, Vincent van Gogh Dutch


 僕の中ではゴッホと言えば、ひまわり、麦、そして自画像で、それは何故かといえば、ゴッホ美術館でそれらの作品が無数に展示されていたからです。
 けれど、今回展示されているメインの作品は上に載せた「糸杉」です。

 他にもいくつかのゴッホの作品が展示されていましたが、今回の美術展で僕の心に強い印象を残したのもこの「糸杉」でした。
 実際に「糸杉」を前にして圧倒されたのは、その厚さです。
 何回も塗り重ねただろう絵の具。
 そして、ぐるぐるというかくねくねとした筆の動き。

 なんだか、それが狂気を感じさせ(実際、ゴッホが療養所にいたときに描いた作品です)、その狂気を「美」に昇華させている。
 僕自身が「病んでいる」からなのかわかりませんが、狂気とか、悲しみとか苦しみを抱えている人の作品に子どもの時から惹かれてきました。
 絵画は大人になってからですが、文章や音楽もそういった人たちのものに惹かれてきました。
 この「糸杉」も美しいのだけれど、狂気が伝わってくるようで、それ以上の言葉が出てきませんが、忘れられない作品になりました。