映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ハードコア」

 観たいと思っていた映画がAmazonプライムの対象になっていたので、観てみました。
 最初に興味を持った理由は、アメリカの興行収入ランキングで初登場5位ということを聞き、その撮影方法がニュースになっていたからです。
 でも、そんなこと、撮影方法が「独自」だということはすっかり忘れて、観始めたので、ビックリしました。
 


ハードコア(字幕版)

 

映画「ハードコア」公式サイト

作品データ映画.comより)
監督 イリヤ・ナイシュラー
原題 Hardcore Henry
製作年 2016年
製作国 ロシア・アメリカ合作
配給 クロックワークス
上映時間 96分
映倫区分 R15+

ストーリー(公式サイトより)
愛する人を救いだし、記憶を取り戻せ!
準備はいいか?あなたは今から、愛する人を取り戻すためこの“クレイジーな世界”に放り込まれる。妻であり、絶命したあなたの身体をサイボーグ化し蘇生させた一流の研究者である美女・エステルが、エイカンという奇妙な能力を使うヤツに誘拐されてしまった。道先案内人は変幻自在のジミー。あなたの身体を狙うエイカン率いる傭兵たちを倒し、エステルと“記憶の謎”を取り戻すことが出来れば、あなたの存在する目的と真実を知ることができるかもしれない。幸運を祈る。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 独自の撮影方法というのがどんな方法かというと、「主観」です。
 今ではこれで撮影している人たちが世界中でかなり沢山いる、GoProによる撮影だそうで、主人公のヘンリー役の顔面に付けて撮影されたために、主人公ヘンリーの姿はほぼ映ることがなく、終始ヘンリーから見える世界によって展開されます。

 終始主観映像の作品を観たことがなかったので、アイデアとしてはとても面白いと思ったのですが、正直「酔い」ました。
 iPad miniで観たので、画面も小さく、途中で止められたのでまだ良かったですが、これが映画館の大きな画面で途中で止めることが出来なかったら、気持ち悪くなって途中退席していたと思います。
 そのくらい、僕はこの「主観映像」に酔ってしまいました。

 物語の内容は、その主観映像を通して、ヘンリーに誰かが語る内容から分かってくるのですが、とにかく主人公ヘンリーは人を殺しまくります。
 ヘンリー含め、ヘンリーを襲ってくるものたちを「人」と呼んで良いのかどうかは倫理的、あるいは生物学的な議論が必要な感じですが、そのことには深く触れられることなく、とりあえず「ヒトみたいなもの」がヘンリーを次々に襲ってきては、ヘンリーもそれらを殺しまくります。

 こんなにも殺しまくれる作品が出来た理由も「主観映像」によるところが大きくなっています。
 なぜかというと、主観映像からは、主人公ヘンリーがどの程度ダメージを負っているのかが分かりにくいというか、曖昧になっているからです。
 「主観映像」でなければ、相当ヘンリーがダメージを負っていることも分かってしまいますし、それをごまかすことも出来ませんが、「主観映像」なので、曖昧なままで物語を展開することが可能になっています。

 次々と攻撃され、殺しまくる以外にどんな物語の展開があるのかというと、ラストでちょっと意外な展開はあるものの攻撃される理由も戦う理由も最初から示されています。

 「ヒトとは何か?」みたいな課題に少しでも触れられていれば、また違ったのかもしれませんが、とにかく、「主観映像」によるアイデアと、殺しまくる作品になっています。

 そのほかの部分では、個人的には、ヒロイン役のヘイリー・ベネットが相変わらずものすごくきれいで、「ガール・オン・ザ・トレイン」以来でまた観られたので眼福でした。
 相変わらずちょっと悲惨な役ではありましたが、「ガール・オン・ザ・トレイン」よりも登場シーンが多くて良かったです。