映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「マイヤーウィッツ家の人々」

 Netflixオリジナル作品を観られる内に観ています。
 今回もエスクァイアの記事で紹介されていた作品です。
 

youtu.be

 

The Meyerowitz Stories (New and Selected) | Netflix Official Site


作品データ映画.comより)
原題 The Meyerowitz Stories (New and Selected)
監督 ノア・バームバック
製作年 2017年年
製作国 アメリ
配給 Netflix
上映時間 112分

内容Official Siteより)
積年の恨みや競争心を抱えたまま、NYで顔を合わせた3人の兄妹。大人になった今、過去の栄光にしがみつき、老いてなお気難しい芸術家の父に振り回される…。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 家族って本当にやっかいだな、と思います。
 たまたま「子ども」や「きょうだい」という形で「家族」として過ごし、だからこそ無碍にも出来ず、かといって、大人になった(なっていなくても)ので自分の意思もある。
 ただ「家族だから」「子どもだから」という理由で傲慢な「家族」、今回の作品だと主に「父親」に振り回される。
 完全に断ち切れるほど暴力や暴言を受けてきた訳でもない。
 けれど、とても他人だったら許容出来ない傲慢さにうんざりさせられたり、兄弟間での積年の恨みを抱えていたり。

 僕、父親とトルコに一緒に旅行に行ったり、先日だと次男の要望で釣りに行ったりしているので、「仲良いんだね」と勘違いされることがあるのですが、特に仲良くはありません。
 というか、僕の父親はこの作品の父親のように大学教授でも芸術家でもなくただのサラリーマンでしたが、この作品で息子たちが父親に対して抱えている感情に近いものを僕も感じていると思いました。

 無碍には出来ないし、表面上は繕っているけれど、許せないことをされたし、謝って欲しいこともあります。
 けれど、それを直接突きつけることも出来ない。
 突きつけたところで父にとっても、僕にとってもどこにも行き場所がないからです。

 また、この作品では異母兄弟、継母との関係や思いなどが描かれているのですが、この作品が良かったのは、僕には出来ない(多分今後することもない)真っ正面から向き合うということをしているからです。
 それが出来たのは兄弟だからかも知れませんが、僕にはとても出来ない真っ正面から向き合う勇気があるってすごいな、と心底思います。